逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

自分や人の内面に関心を持つと幸せになれる

今みなさんの関心はどこに向かっているのか

 

最近はそんなことを考えて
すごく不安になります。

 


芸能人、著名人の行動に興味を持って

それに対して良い悪いのジャッジをしている

 

社会問題に強い興味関心をもって
それぞれに意見をもっている

 

自分と近い年齢の人
自分と近い経済状況の人がどうなのか知りたい

 

普通はどうなのか
正しいことはなんなのかを知りたい

 

 

こんな人は多いんじゃないでしょうか。

 

 

これが良い悪いは置いておいて

私が言えるのは


このようなところに強い関心をもって毎日を過ごすと

 

それで皆さんの求める「幸福」は手に入らないということです。

 

 

 

現代の心の病は

 

「自分の内面に関心を持てない」
「他人に自分の内面に関心を持たれない」

 


ここに大部分の原因があると私は思うんです。

 

 

 

自分に関心を持っているようで

 

興味があるのは
自分の外面、持っているもの(地位や名誉、お金など)だけ。

 

自分の気持ちや考えや感情には全く関心がない。

 

 

これで自分を知ることが出来るでしょうか。

自分のことを好きになれるでしょうか。

 

 

自己肯定感が必要だという言葉だけが先走っていますが

 

自分の内面を知ることが出来なければ

自分を肯定することも出来ません。


自分を肯定出来ないから

心は安定しない、勇気を持てない、幸福感を感じられない…

 

自分の内面に関心が持てないから

心に問題が起きているんです。

 

 

 

 

人に対しても同じで

人に関心を持っているようで


興味があるのは
自分の外面、持っているもの(地位や名誉、お金など)だけ。

 

人は人に内面に関心を持たれてこそ


心に平穏がもてる
存在価値を感じられる
その人に深い信頼を置ける

 

そこを無視しつづけているから

温かい関係が作れない

長く一緒にいても絆が生まれない

深く信頼してもらえない

 

人の内面に関心が持てないから

人と心から信頼しあう関係が作れないんです。

 

 

 

 

社会問題に強い興味関心をもつことは

とても素晴らしいことですね。

 


でもそんな人の中で


自分の内面の理解が出来ていて
他人の内面の理解が出来て人をおもんばかることができる人
自分の問題はほとんど解決出来ている人

 

どれくらいいるんでしょうか。

 

…出来ていないですよね?

 


だとするとこの行動は

 

目の前のことから目を背けているだけなのかもしれません。

 

 


いくら社会問題に興味関心をもつことが

素晴らしいことでも

 

 


本当は
社会問題より

自分の問題や自分の周囲の人の問題を解決するほうが先ですよね。

 


そこに目を向けるのが怖くて
遠くに目を向けている人が多いんです。

 

 

ちゃんと問題に向き合っている感覚があるので
逃げていることに気づけません。

 

 


試験前に勉強しなきゃいけないのに

普段はやりもしない掃除なんかをしてしまう

 

これと似ていますね。

 

 

 

一方で

自分は内面に関心を持っていると自信を持っているけど

それでも自己肯定感は上がっていないよ

という人もいるかもしれません。

 

そんな人は本当に自分の内面を見ているでしょうか。

 

 

 

自分と向き合う!自己理解!と

 

自分にはこういう傾向があってこういう人間

 

と分析をしていませんか。

 

  


自分の内面を知ることとは
分析をすることでは無いんです。

 

 

分析をしても

自分を決めつけてしまうだけです。

 

 

あんな行動は取ったしあんな結果になったけど

 

本当はあの場面でどんな思いを持っていたのか

自分なりにどう考えて選択に至ったのか

どんなこだわりを持っていたのか…

 

 

ここまで思い返してやっと

自分を知って肯定できると思いませんか。

 

 

どんなことを内側に持っていてもいい

こう自分を肯定できるようになって

 

自分がどうしたいのか自由に考えられます。
自分の目的が分かっていくんです。

 

 

「目的を持たないといけない」
「あなたの目標は?」

 

なんて言われても困るのは当たり前ですね。

 

まずは
自分の感情や気持ちを知らなきゃ
それは分かるはずがないんですから。

 

 

 

 

 

他者理解も同じです。

 


あの人はこういう傾向があってこういう人間

 

分析をして
人と向き合っているつもりになっていても
人の感情や気持ちを無視しています。

 


先ほど言ったように

人を理解することは分析をすることでは無いですから。

 

 

分析をすると

 

人を決めつけて自分の分析した人物にしか見えなくなって

よけいに人を理解できなくなります。

 

 

 

人を理解することで大事なのは
人の感情や気持ちをそのまま知ることです。

 

 

そこから

その人がどんな人か分かっていって
愛情が芽生えていきます。

 

人を好きになれないのは

人の内面を知らないからなんです。

 

 

人がどんなことを考えて感じているかといった
人間らしさを見ることで興味が湧いてきて

 

そこから深いコミュニケーションが始まります。

 

 

 

自分の感情や気持ちに関心を持って

 

自分を好きになって

自分を肯定出来るようになって

 

自分の目的がはっきりして
心が安定して
勇気が持て

幸福感が感じられる。

 

 


人の感情や気持ちに関心を持って

 

人を理解して好きになって
人と深い信頼関係が築けるようになる

 

 


自分や人の内面に関心をもつことは
とても怖いことで勇気がいりますね。

 

でもこれだけの幸福感が得られるなら

 自分や人に関心を向けていきたいと思えてきませんか?

 

 

 

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