逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

止められない自分を止める方法

 

「どうしても自分を止められない」

 

 

こんなふうに感じたことはありませんか?

 

 

カウンセリングをしていると

ADHDの傾向を持つ人は

 

「どうしても」が口癖の人が多いことに気づきます。

 

 


「どうしても」

自分で自分を止められない感覚があるんですね。

 

 

私にもこの口癖はあり、この感覚があります。

 

 

 

自分を止められないことで

不安になったり自信を無くしたりすることばかりで

 

何とかして自分を止められないものかと考えていたのを思い出します。

 

 

そして

何らかの方法で止められるかもしれないと

色んな手を使って自分を止めようと試みてきました。

 

 

 

 


例えば

 

お菓子を食べるのをやめられない。

 

 

人がぶつかってきたり

道で急に立ち止まったりすると

ムッとしてしまうのをやめられない。

 

 

自分の失敗や人にされた嫌なことをずっと反芻して

イライラすることをやめられない。

 

 

 


最初は

 

多分多くの方が挑戦しているであろう

無理に押さえつける方法をしてみました。

 

 

 

自分に対して心の中でこう言います。

 

 

「お菓子を食べるの禁止!意思を強く持て!」

 

「ムッとするのは大人げない!寛容になれ!」

 

「マイナス思考はよくない!考えるのをやめろ!」

 

 

 

 

・・・これでは無理でした。

 

 

一旦はやめられるんですが長続きしません。

 

それどころか前より酷くなることもありました。

 

 


心は力で押さえつけると

リバウンドがやってくるんですね。

 

 

 

 

次は

思慮深く、自分を諭す方法を試しました。

 

 


「お菓子を食べると太るし体に良くない」

 

「ぶつかってくる人も立ち止まる人も悪気はないんだから。

 ムッとしても何も変わらないんだから」

 

「終わってしまったことを考えても仕方ない。忘れよう」

 

 

 

 

・・・これもまた無理でした。

 

 

最初は

「確かにそのとおり」と自分を抑えることに成功します。

 

でもその後に

「そんなこと分かってる!だけどやめられないんだ!」

とイライラがやってきます。

 

自分を止めるのは本当に大変です。

 

 

 

 

私が挑戦した方法で成功した方法は・・・

 

 


・目をそらす

 

・抑止力をつかう

 

 

 

 

ADHDの忘れやすい特徴を大いに生かすんです。

 

 

あ!あれを見て!と言われて違う方を見てるうちに

目の前のことを忘れてしまった経験ありませんか。

 

ADHDの人は

気になることがあればそっちに気を取られたしまって

目の前のことを忘れてしまう傾向がありますよね。

 

 


さっき挙げた例で、この方法を試すとすると

 

 

お菓子の代わりに

つまめる野菜やフルーツを自分に与える。

 

お菓子を食べたくならないように

自分を退屈させないように

人と交流したり好きなことに没頭したりする。

 

 

やめさせるのではなく

まずは代替品を自分に与えたり

食べることと同じぐらい気持ちがいいことを探す。

 

 

 

 

ぶつかられたり、急に人が立ち止まった瞬間に怒りたくなったら

 

「今日これからどうするんだっけ」

「あの人元気かな」

 

その瞬間に自分の頭に考える課題を与える。

 

あるいは

周囲を見回して、そこにどんな人がいるかじっくりと観察する。

 

 

そうすると一瞬、目の前の出来事を忘れてしまう。

 

 

 

 

失敗や嫌なことが頭の中でグルグルと回り出したら

 

そのタイミングで

 

過去の栄光

過去に褒められた言葉

最近あった嬉しかったことなど

 

詳細に思い出す。紙に書き出す。

 

しばらくするとまぁいいかと思えたりする。

 

 


こんな目をそらす方法でもダメな時だけ

 

強力な抑止力がある方法を使います。

 

 

 

 

不安になりやすい私

損をしたくない私

 

 

「これをやったらこれだけ損をするよ」

と自分に現実をつきつけると抑止力になる。

 

 


お菓子を食べたら

 

太って肌荒れをして醜くなる

体調が悪くなる

 

これだけではまだ大丈夫だと安穏としているかもしれません。

 

 

もっと自分に危機感を持たせるために

もっと詳細に想像していきます。

 

 


私の場合だったら

お菓子を食べて太って肌荒れをして体調が悪くなったら・・・

 

 

クライエントさんに

自己管理できない人だと思われ

カウンセリングしてほしくないと思われるかもしれない

 

 

体調を崩してカウンセリングを休んだら

クライエントさんに大変な迷惑をかける

 

 

体調が悪いままカウンセリングをしたら

クライエントさんに寛容になれなかったり

落ち着いて話を聴けなくなったりしてカウンセリングが失敗する

 

 

こんなことを繰り返していたら

最終的に仕事が無くなって暮らしていけなくなるかも!

 

 

こんなふうに

本気で大変だ・・・と思わせます。

 

本気でやめたいときは

危機感をしっかりと持つことが重要です。

 

 

 

 

人にぶつかられたり、立ち止まられた時に

ムッとしたら

 

多くの人が私を見ているよ。

恥をかくよと自分を脅してみます。

 

 

ちゃんと想像を巡らせないと効果はありません。

 

 

恥をかくことを想像することから逃げる人が多いので

これがなかなか難しいんです。

 

 

 

 

好きな人の前で良いところを見せたいですよね。

 

多くの人が注目していたら

かっこつけたいし

悪いことは出来ないですよね。

 

 


ちょっと想像してみてください。

 

 

好きな人に横で見られていると。

 

自分は有名人でつねに人に注目されている。

文春に追っかけられていて写真を撮られていると。

 

 


ちょっと色々とだらしなくなっているとき

 

ちょっと人に優しく出来なくなっていたり

感情が漏れ出そうになったとき

 

 

こうやって想像すると、あら不思議

 

ちょっと行いがよくなる。

 

 


どうでしょうか。

 

自分の意思だけでは無くて

ちょっとした工夫で自分を止められそうじゃないですか。

 

 

この

 

・目をそらす

 

・抑止力をつかう

 

 

という方法は色んなところに応用できるので

実はカウンセリングでもよく使っているんです。

 

 


ぜひ

自分の意思以外の方法で

自分を止めることを試してみてくださいね。

 

 

 

 

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