逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

人と長く良好な関係を築いていく方法

人と深く付き合うと長続きしない。

 


親しくなって日が経つと

人に嫌われるか、自分の方が人を嫌いになってしまう。

 


こんな自分は性格が悪いから
コミュニケーションのスキルが無いから


いつもこうなってしまうのだろう・・・

 


こう思い込んでいる方
きっと多いのではないでしょうか。

 

 

 

本当にそうでしょうか。

 

さほど性格が良く見えない人でも、コミュニケーションのスキルが無くても
少数の人と深い付き合いを続けている人は居ると思いませんか?

 

 

これには
もっと他の理由があるんです。

 

 

 


あなたは人と居る時に我慢ばかりしていませんか?

 

自分を抑えて人に合わせてばかりいませんか?

 

 


自己中心的ではなくて、人を優先させる態度は大人っぽく節度がありますね。
心優しく、協調性があり、とても悪いことだとは思えませんね。

 

 

でも
こんな特徴がある人は
人と深く長く付き合うのは難しいんです。

 


それは何故でしょうか。

 

 

 

親しかった人が突然変わる。

順調な関係だと思っていた人にいきなり不満を吐露される。

 

 

誰もが経験があるのではないでしょうか。

 

 

穏やかな天候から、いきなり巻き起こった嵐のような驚き
順風満帆なはずだった自分の道が突然閉ざされたような絶望

 

 

嫌なものですね。

 

 


人間は落差に弱い生き物です。

 

同じ出来事が起こるにしても
知らせがある、あるいは兆候が見えるのと、いきなり起こるのとでは

衝撃の度合いはずいぶん違いますよね。

 

 

 

ずっと
「あなたは唯一無二の親友だ。信頼できるのはあなたしかいない」

 

ある日突然
「あなたとは絶交。ずっと我慢していた」

 

 

 

ずっと
「おまえしかいない。ずっと一緒に居たい」

 

ある日突然
「好きな人が出来た。今すぐ別れてほしい」

 

 

 

ずっと
「君は会社にとってなくてはならない人物だ。頑張ってくれ」

 

ある日突然
「君より優秀な社員はいくらでもいる。やめてくれていい」

 

 

 

とても極端な話のようですが
人間不信になってしまった人は実際にこれに似た経験をしているんです。

 

 


人の気持ちは変わるものですから
残念ですが受け入れなければならない悲しい出来事もあります。

 

 

でもだからといって


良い気分にさせられてから突き落とされるのは
とても耐えられるものではないですね。

 

 

 

 

このような態度をとってしまう人は
次のような特徴があります。

 


・無意識に相手の機嫌をとってしまう
・嫌われないために相手の意向にそった行動をとってしまう

 

 


「何がなんでも人に嫌われたくない」思いが強い人ですね。

 

みなさんにも心当たりはありませんか。

 

 

だから人と居ると
知らず知らずのうちに、自分の中にある不満に気づかず蓋をしてしまいます。

 


本当は嫌なのに笑顔で


「いいね。私も賛成」
「大丈夫。そうしよう」

 

本当は無理をしているのに笑顔で


「全然平気。まかせて」
「いいよいいよ。気にしないで」

 

 

 

多くの人はこれを素直に受け取ります。

 


これが好きなんだな
こういう価値観があるんだな
楽しんでくれているんだ
頼りがいがあるな
なんて優しい人なんだ

 

こんなふうにポジティブに受け取ってくれる。

 

 

 

一方で
自分で自分の心に蓋をしてしまっている人は
心の中にこんな不満がどんどん溜まっていきます。

 

 

「嫌なのに何で気づいてくれないの」
「なんで私が合わせなきゃいけないの」
「こんなにつらいのに分かってくれない」
「私ばかり無理をさせられる」

 

 

 

不満が溜まって
大好きだった人も憎らしくなってくる。

 

そうしてある日突然爆発して
相手は晴天の霹靂という思いになる・・・

 

 

 

「我慢をしているのぐらい分かって当然でしょ」

 


そう思ってしまうんですね。

 

 


私も同じ事をしていた時、そう思っていました。

 


でも
「何がなんでも人に嫌われたくない」という人の
自分の不満を内側に秘める力は相当なものです。

 


これは私にとって
自己理解を進めるときに重要なことでした。

 

 

自分がどれだけ不満やつらさを覆い隠して人に見せていないか
気づいていなかったんです。

 

人がデリカシーが無く私に無理をさせると思い込んでいたんです。

 

 

 

これだけではありません。

 

人に嫌われたくなくて無理して良い顔を続けていると限界がきます。

 

 

ある日もう

優しく出来なくなる

親切にできなくなる

明るく元気に魅力的に振る舞えなくなる

頼りがいのある強い自分でいられなくなる

 

 

騙してるつもりはなくて

ただ懸命に良いところを見せようとしてきただけなんですが

 

自分の能力を超えてやり続けてしまったせいで

限界がきてしまったんですね。

 

 

私もよくやっていました。

 

嫌われたくない、愛されたいから

懸命に尽くして、魅力的で良い自分でいようとする

 

でも無理をしすぎて長続きしない

 

本当の自分が漏れ出てしまった時に人から見限られる…

 

 

自分がどれだけ無理をしてたか気づいていませんでした。

 

自分を出せば人は私を見限る

私の本性は隠さなければ嫌われる…なんて思っていたんですが

そうじゃないんですね。

 

 

騙すつもりはなくて頑張っただけ

本性がダメなんじゃなく盛りすぎてしまっただけ

 

でも人からすると

親しくなってから正体を明かされて驚かされることになってしまうんですね。

 

 

 

 

どうでしょうか。

 

人に嫌われるのは怖いですよね。
自分の気持ちを主張するのは本当に勇気が要りますよね。

 


だけどもし

 

人と深く長く良好な関係を保ちたいと思っているなら
自分の思いは理解してもらわなければいけません。

 


よかれと思って我慢をしていても
気づかぬうちに不満を溜めて
その人を嫌いになってしまいます。

 

いきなり不満を爆発させて
その人に不信感を抱かせてしまいます。

 


最初は不満を伝えるのは難しいですね。

 

せめて
笑顔で「大丈夫」と言って自分を偽るのをやめてみましょうか。

 

本当につらいときには
つらい表情をする練習をしてみましょうか。

 

 

 

人と深く長く良好な関係を保ちたいと思っているなら

外面ばかり完璧にして良い所ばかり見せても無駄なんです。

 

 

深く長くつきあうなら必ず外面ははがれます。

残念な自分は隠し通せません。

 

 

完璧な外面以外で人と接するのは

ダメな自分を出すのは怖いですね。

 

せめて、外面を盛りすぎないようにしてみましょうか。

ちょっとだけダメな所を見せる練習をしていきましょうか。

 

 


大好きな人を嫌いにならないように、見限られないように


人と深く長く付き合っていけるように

 

少しずつ無理をしない自分で居る時間を増やしていきましょうね。

 

 

 

 

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