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逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

私のカウンセリングについて②ー親の役割を担うー

私のカウンセリングでは

私が親の役割をやらせてもらいます。

 

私より年上の方も同様です。

 


これは

 

「カウンセリングで親子のように振る舞う」
ということではなく

 

「親がクライエントさんに与えるはずだったものを
 代わりに私が与える」
というものなので

 

年齢は関係ないんです。

 


まず
人を心から信頼するという経験をしてもらいます。

 


これまでも人を信頼してきた。

 

親や親友や恋人や夫と
ちゃんと関係を作ってきた。

 


みなさん
そう思いますよね。

 


でも実は
人を心から信頼したことがない人は沢山いるんです。

 


人間関係がほとんど上手くいかない人
生きづらい人
人生が楽しくない人

 

はその可能性が高いです。

 

 

 

人を心から信頼するとは

 

あけすけに何でも話すことではありません。

 

そう思っている人は多いですよね。

 

こんなに打ち明けている。
こんなに気持ちを吐露している。

 

だから
人を信頼していると思っていますよね。

 


でもこれは
人を信頼しているパフォーマンスでしかないんです。

 


信頼していると思っている相手に
「これを言ったら嫌われる」
「こんな自分は隠しておこう」

 

と思っていないですか?

 

もし思っているなら
あなたはその人を信頼していません。

 


似ているようですが
「これを言ったら嫌な思いをするだろうから抱えておこう」
「こんな自分を出したら相手の負担になるから抱えておこう」

 

なら
信頼しています。

 

この違いは
ちょっと難しいですね。

 

 

 

「人を信頼することは果たして良いことなのか」
「誰でも信頼することがいいのか」

 

こんな疑問も持ったことはないでしょうか。

 


そうですよね。

 

私は
誰彼かまわず
信頼することを勧めているわけじゃありません。

 


まず一度
最初に一度だけ

 

本当に人を信頼をする経験をしないといけない。
そうしないと

 


・自分にどんなものがあるか分からないので
 人にさらけ出せないので心を開けない。

 

・自分がどんな人間なのかが分からない。

 

ということになるんです。

 

 

 

人を信頼するという経験は
養育過程でしてくることなのですが

 

機能不全の家庭では
この経験を経ることができません。

 

この経験をせずに大人になってしまうと
その後も
誰かを信頼することが難しくなってしまうんですね。

 

 

 

機能不全の家庭で
子どもが親を信頼できなかったのは

 


親に余裕が無ければ
子どもに興味を持てず、自分の事情や気持ちばかり優先する。
それでは子どもは心を開けない。

 

親が子どもを思い通りにしようと思えば
子どもを理解しようとしないで抑圧するので
心を開けない。

 

親の能力が子どもより低ければ
子どもは自分の伝えたいことが伝わらないので
心が開けない。

 


というようなことが起こっていたからです。

 

心が開けない相手を
信頼なんて出来ないですよね。

 


じゃあどうしたら
安心して心が開けるんでしょうか。

 

目の前に人がいる状況で
心を開いてしまって
どんな自分が出てくるか分からなければ

 

誰だってとてつもない不安を持ちます。

 


だから

 

最初に心を開く相手は

 

何を言っても興味をもってくれる
何を言っても理解しようとする熱意をもってくれる
何を言っても理解ができる能力がある
相手が相手自身のことを置いて自分のことを優先してくれる

 

こんな条件が揃っていないと
怖くて心を開くことなんてできません。

 


これが簡略化されて
「話を否定しないで受容する」
なんてスキルに置き換わっていますが

 

これだけじゃ
安心して心を開けるには十分じゃないですよね。

 

 

 

私がクライエントさんが
初めて心を開く相手になります。

 

初めて心を開くのは
大事な家族や恋人や友人でありたいと思いますよね。

 

でも
なかなか
みんな余裕がないので難しいんです。

 

 

 

クライエントさんは

 

私の前で沢山の自分を出して
自分の多面性を知り
自分を分かっていきます。

 

こうして
自分をすべて知り
人にさらけだしたことで

 

人に心を開きやすくなっていきます。

 

 


もうひとつ
私が親の役割をすること。

 

私がクライエントさんの軸となります。

 


ちょっと怖いですね。

 


クライエントさんの
自分のイメージや考え方は

 

実は
養育過程で親に刷り込まれたものです。

 

 

 

虐待をされたら

 

「おまえはこうされても構わない存在だ」
「とにかく我慢をするしかない」
「感じないようにするしかない」

 

厳しく育てられたら

 

「失敗したら終わり」
「上手くやらなければ価値はない」
「とりつくろっても失敗を見つからないようにするしかない」

 

過保護に育てられたら

 

「おまえは無能だ」
「自分で考えず親の考えを鵜呑みにするしかない」
「頑張るより従うほうがいい」

 


たとえば
このような呪いにかかっています。

 


この呪いは
幼少期から長くかけられたもので
とても頑固です。

 

ことあるごとに
「おまえはダメだ」
ということが浮かんできます。

 


でも私がカウンセリングで
それを塗り替えていきます。

 


これはなかなか説明が難しいですが

 

クライエントさんの沢山の話から
特徴や力や可能性を探っていって

 

「あなたはこれが出来た」
「あなたにはこんな良いところがある」
「あなたは大丈夫」

 

と支えていきます。

 


これがただの慰めであれば
もちろん意味はありません。

 


ちゃんと
クライエントさんがやってきたこと
クライエントさんが言ったことなどから探します。

 

根拠を持ってしっかりと肯定していくので
自分でも納得できるようになっていくんです

 


これをじっくりと時間をかけてやっていくと

 

「おまえはダメだ」
という声が

 

「大丈夫」
「なんとかなる」
「失敗しても次」
というような私の声に変わっていきます。

 


以上のことが
私がカウンセリングで親の役割を担う
「育てなおし」
と言っていることです。