逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

情報は適切なタイミングと量でなければ役に立たない

みなさんは

 

ググるの好きですか?

 

マニュアル、HowTo本
自己啓発本は好きですか?

 

最新の情報を逃さないよう頑張っていますか?

 

 


何歳になっても知的好奇心を無くさないって素敵ですね。

 

よりよい人生を送るために
努力を怠らないって素晴らしいことですね。

 


でも本当にそうなんでしょうか。

 

 


「やみくもに情報を集めているだけ」に

 なってしまっている可能性はありませんか。

 

 

 

 

みなさんは情報を集める時にどんなことを考えていますか?

 


「ただ知りたくて仕方がない!」

 

「今これが必要だから知りたい!」

 

でしょうか?

 

 

 

実際はこんなふうに考えていませんか。

 


「情報を多く持つことで得をしたい、賢く見られたい」

 


「情報さえ多く集めればこれに対処できるだろう」

 


どうでしょうか。

 

 

そして

 

とにかく多くの情報を集めようと必死になって

 

せっかくの情報を生かすことが出来なくて
困っているんじゃないでしょうか。

 

 

 

そうなんです。

 

情報はただ多ければ多いほどいいんじゃないんです。

 

むしろ
それが逆になってしまうことがあるんです。

 

 


昔と違い
今は情報を集めるのが簡単な上に
集められる量が膨大です。

 

とても便利になったようで
実はこれが

 

「余計な情報が入りすぎてしまう」という弊害があるんですね。

 

 

 

例えば
こんなことが起きてしまうんです。

 

 

 

何かに対処するために情報を集めるだけ集め
取捨選択も吟味もせず、優先順位もつけずゴチャゴチャのまま頭に入れておく


 

情報量が多く整理もされていないので
一つ一つの情報の真偽も分からない自分に必要かどうかも分からないままで
自分にとって不必要あるいは精度の低い情報が多くなる


 

実際に対処するときに膨大な量の役に立たない情報が頭の中にあり
どれを使っていいか分からないまま、とりあえず目に付いた情報を使う


 

情報が適切ではなかったり間違っていたり精度が低いせいで
情報に従って努力をしても全く上手くいかない

 

 

 
これでは頭の中が混乱してしまって
せっかく集めた情報を元に努力をしても上手くいかないはずです。

 

「頑張っても報われない」ことになってしまいます。

 

 


頑張っているのに上手く行かないと悩んでいる人は
情報収集が目的になってしまっている人がとても多いんです。

 

 

 

それだけではありません。

 

情報が入りすぎるせいで
情報処理をするために頭を酷使することにもなります。

 

そして
正常な判断ができなくなったり
感情のコントロールが難しくなったり
逆に感情を無くしたりしてしまったりして

 

心の状態が悪くなり

情報を生かして対処していくどころではなくなってしまいます。

 

 

 

 


まだまだあります。

 


今はインターネットで
自分の今のステージの先
そのまた先の情報まで詳細に知ることができます。

 

昔だったら自分の実力では
とても知り得ない情報を知ってしまうことになります。

 

 

 

そのせいで

 

出来るような気になりやすくなり口だけ立派になります。

 

先を知りすぎて
憂いたり用心しすぎたり絶望したりしてしまいます。

 

 

これでは

簡単に出来るはずが実際にやってみたら全く出来なくて絶望して

怖くなって、また実際に行動しなくなってしまいます。

 

頭の中でだけ自分は出来る気持ちのまま

実際には何も出来ない状態がエスカレートしていきます。

 

 

先を考えずに目の前のことだけに挑戦したいのに

失敗が怖い気持ちが大きくなり、すごい人の存在を知って自信を失くして

勇気を持って挑戦できません。

 

 

今は

自分が必要な情報の量と適切なタイミングが見極められず
みんなが情報に邪魔されてしまってるんですね。

 

 

 

心の健康の情報についても同じです。

 


カウンセリングに来る人は
心理学の知識を沢山持っている人ばかりです。

 

でも自分の心で悩んでいる。

 


ここまで書いてきたように
情報がただ多すぎて逆効果になってしまっているんですね。

 


だからカウンセリングでやることは

 

頭に入っているものを空にしてもらって
頭の負担を減らして

 

その人の心に必要な情報は

私が必要なタイミングで必要な量を与えさせてもらいます。

 


これにより
すんなりと情報が心に効いていきます。

 


自分の心で悩んでいる人は
心理学の情報を集めるより

 

自分の心に響くものを少しだけ
胸に留めておくようにしてみたほうが効きます。

 

 

情報は多く集めればいいものではありません。

多く集めるだけでは逆効果になってしまいます。

 

 

取捨選択ができないなら情報は無い方がいいんです。

 

頭が疲れずに心が悪くなりません。

勇気を奪われず目の前のことに挑戦できます。

 

 

情報は自分にとって適切なタイミングと量でなければ

残念ながら全く役に立たないんです。