逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

自己評価が低い人の心の病

自己愛性人格障害の人は

周囲に嫌な思いをさせやすく
とても特徴的で分かりやすいため

 

一般の人にも気づかれやすく、よく話題に上ります。

 


自己愛性人格障害の人は

実際の自分の能力よりも、高く自分の能力を見積もっている状態ですね。

 

 


実はこれとは逆の状態で、心に問題が起きる人がいるんです。

 

実際の自分の能力よりも、低く自分の能力を見積もってしまう。

 


どんな問題が起こるでしょうか。

 


周囲に迷惑・・・

かけませんね。

 

役に立ってくれる割に自信がなさそう。恩を着せない。
人からすれば有り難い存在でしょう。

 


社会に適応できない・・・

こともありません。

 

能力は高いのできちんとやります。人間関係も和を保てます。
本人が「やれていない」と思っているだけです。

 

 


どうでしょうか。

 

何の問題もありませんね。

 

 

 

そう、これが問題なんです。

 

 

実際の自分の能力よりも
低く自分の能力を見積もってしまう

 

これは本人だけが苦しいことで

周囲の人には気づかれないどころか歓迎されることなので

 

苦しみを誰にも理解されず、自分でも気づかず

この状態がずっと維持されてしまう。

 

 

 

精神科に行ってもカウンセリングを受けても

「問題はない」と理解されません。

 

 


このような人が私のところに来て
やっと自分の苦しみの理由に気づきます。

 

 

 

私も同じように苦しんできたので
こういう人の気持ちが痛いほど分かるんです。

 

 

 

実際の自分より自己評価が低い人は

このような人が多い。

 


〇発達障害が原因で出来ることと出来ないことの凸凹が大きい
 

 

目の前のことだけに必死になってきて過去を振り返らずにきたため
 結果を残してきても頑張ってきたという実感が持てない

 


過保護・過干渉の親に育てられ自分で何も選択しないまま

   目の前のことを消化してきてそれなりの能力があり結果を残していても

   自分の成果、自分の力いう実感がもてない

 

 

 

発達障害が原因で、出来ることと出来ないことの凸凹が大きい人は

 

高い部分をあまり見てもらえず評価されず
低い部分をひどく批判されがちです。

 

 

実際は能力の高い部分で沢山できていることはあるんですが


人から低い部分ばかり指摘されているうちに

「自分の能力は低い」と思いこまされ

自信を無くして自分の能力を低いと決めつけるようになり

本当に何もできなくなってしまうようになります。

 

 

 


目の前のことだけに必死になって結果を残してきても

過去を振り返らずきた人は


地位や名誉やお金以外など他人目線以外では

自分の価値をはかれません。

 

 

過去を振り返らずにきたため自分の努力や功績が自分で見えない。

人から称賛されなくなったり一時的に人からの評価を失うと

自分には何にもない感覚になり「自分は能力が低い」と感じてしまう。

 

 

 

この二つのタイプの人は
全てを自分の努力不足だと思ってしまいがちです。

 

いつも自分を責め続け、休むことをせず走り続けてしまいます。

 

そのため鬱を発症しやすいんです。

 

 

 


過保護・過干渉の親に育てられ自分で何も選択しないままできた人は

 

どんなに結果を残しても、どんなに能力が高くても
自分の力だと思えません。

 

 

自分でやったという実感がないので
どんなに努力をしても、いつまでたっても
「自分の能力は低い」としか思えないんです。

 

 


このタイプの人は
先ほどの二つのタイプと違い

 

全てを環境のせい、周囲の人のせいにしがちになってしまいます。

 

 

そのせいで
悪い環境から抜け出そうとしない、自分で変えていこうと思えないため
つらい状況が維持されてしまいやすい。

 

 

生きている感覚を持ちづらい

酷い人間関係から抜け出せない

酷い仕事環境から抜け出せない…

 

このタイプもまた鬱を発症しやすいしやすいんです。

 

 


これらのタイプはどれか一つの人もいれば全て持っている人もいます。

 

いくつか持っている人は
自分を責めすぎると思えば周囲を責めすぎたり
自分のせいにしすぎると思えば環境のせいにしすぎたりして

 

自分でも何が何だか分からず混乱をして

双極性障害のような気分の波を持つようになります。

 

 

 


このような人たちのコミュニケーションの特徴は

 

実際の自分の能力よりも、低く自分の能力を見積もってしまうせいで

 

緊張が高いために堅い雰囲気を持ち、周囲から浮きやすく

自分を開示できなくなる

 

 

だから
人と上手くやれないし、人と深くつき合えないようになってしまうんです。

 


本当に残念なことです。

 

 

本当は誰より一生懸命に生きてきて堂々としていていい
自分らしくいてもいい、愛されるべき人たちですから。

 

 

 


このような人たちが抱える苦しみはまだあります。

 


自分の能力を低く見積もってしまうせいで

 


・何をやるにも勇気が出ない

 

・自分に自信が無く自分を好きになれない

 


こんなに沢山の苦しみがあるんです。

 

 

 

それなのに
最初に言ったようにこの苦しみは誰にも理解されないんです。

 

それでは
心を病んでしまうことも仕方がないですよね。

 

 

 

頑張りづづけているのに苦しい
人から理解されないけど限界に近いと感じる

 

 

こんな人は
ここまで書いてきた原因がないか考えてみてください。

 

どれだけ自分の苦しみがあったか気づいてください。

 


そして
本当に自分はダメなのか、立ち止まって考えてください。

 


ダメな部分はあっても

絶対に出来ている部分や人より秀でている部分がある

 

忘れていた過去の栄光がある

忘れていた過去のいじらしいほどの頑張りがある

 

自分で自分は大したことはない思っていたけど
人と比較すると結構できている部分がある

 


きっとこんなことに気づくはずです。

 


自分の能力を低く見積もるのは
謙虚さや思慮深さといった良いものではありません。

 

これほどまでに自分を苦しめてしまうんです。

 

 

 

 

 

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