逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

アサーション②-自分が最優先にしたいことは何なのか-

じゃあアサーションはどうすれば身につけられるの?

 

説明はいいから早く教えてよ。

 

 

そんな声が聞こえてきそうです。

 


でも
アサーションの本当の意味を理解して

自分はどう使ってどうなっていきたいのか

 

わからないまま身につけても上手く使えないはずです。

 

 

もう少しじっくりと

アサーションについて考えてみましょう。

 

 

 


これまでの自分の伝え方で

 

どんなことが起きていたか
人からどう見えていたか

 

このようなことが理解できれば
もう半分以上クリアしたも同然です。

 

 


逆を言えば

 

ここをスルーしてスキルだけ身につけようとしても
アサーションは身につきません。

 

 

 


アサーションというと

 

「断れない人が上手に断る方法」として

使われることが多いですね。

 

 

これについて考えてみましょう。

 

 


アサーションの良さは
「WIN-WIN」というところ。

 

どちらも負けではない状況に持っていく。

 


みなさんは人と意見がぶつかると

すぐに妥協点を探しませんか?

 


妥協というと
どちらも渋々という感じがしますね。

 


でも
多くの場合
どちらにとっても損ではないことが存在します。

 

どちらかが自分の利益しか考えていない場合は例外です。

 

 


アサーションは
自分も相手も尊重します。

 

 

ですが
相手は場面場面で毎度変わります。


だからこれが「正しいアサーション」という方法は

あるはずがないんですね。

 

相手のことを理解して
その人にあったやり方を模索する必要があります。

 

 


さて
「断れない人が上手に断る」

 

これができたら
WIN-WINになるでしょうか。

 


これは中々ならないですよね。

 

 


そもそも断れない人は


断らないことで
「相手の機嫌をとる」という利益を得ている場合があります。

 


あれ

すでにWIN-WINですね。

 


でも本人は
断れない!自分は我慢している!と不満を持っています。

 


この方が
ここでもしアサーションで上手に断っても

 

結局
相手にどう思われただろうか嫌われたのではないかと

モヤモヤと悩むことになってしまいますね。

 


問題はどこにあると思いますか?

 


断れない人が
アサーションを身につけるためには

 

もっと深いところの自分の欲求に気づかなければ

どう伝えても満足のいく結果にはなりませんね。

 

 


まずは
自分は無意識に
断らないことで人の機嫌をとろうとしていたと気づく

 


そして

今自分が優先したいことは

 

人の機嫌をとることなのか
自分が嫌なことは嫌だと伝えることなのか

 

どちらなのかを選択することです。

 

 

相手の機嫌を悪くするととばっちりがくる

自分の立場が危うくなる

 

こういう場合は

自分のために相手の機嫌をとると決めることもあるでしょう。

 

 

相手の機嫌を悪くすると色々と不利になるけど我慢したくない

もし上手に断ってもダメならもう辞めてしまえばいい

 

こういう場合は

上手に断る方法を探して実行するでしょう。

 

 


当たり前のことですが

 

自分自身がWINと感じるのは何か
それが分からずに

 

いつもLOSEな気持ちでいる人は
すごく多いんです。

 


まずはその場で
自分にとって何が最優先なのか

 

これを見つけられないと
アサーションは始まりません。

 


これを見つけなければ
自分が何を伝えたいのかが分からないままで

 

何を伝えても
自分が満足するコミュニケーションになりませんよね。

 

 


アサーショントレーニングをしても
全く満足がいかない

 

そんな人は


自分の価値観を確認し
自分は何を最優先にするのか

 

それを見つけることが先です。