逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

怠け者な自分を変えたい

自分は怠け者である。

 


そんなふうに思って

自己嫌悪に陥っている人は多いのではないでしょうか。

 

 

そして同時に
「でも動こうとしても動けない」


そう感じてもいませんか。

 

 


そうなんですよね。

私も同じでした。

 

 

実感として

怠けというより本当に自分が動いてくれないんですよね。

 


でも人からは怠けだと捉えられやすく

「本当に無理」な感覚も理解されない。

 


八方塞がりですね。

 


私がお会いするクライエントさんもこんな方ばかりです。

 


怠惰な方ばかり

 

・・・ではありませんよ。

 


こんなふうになってしまうのには、ちゃんと理由があります。

 

 

 

それは無理をしすぎてしまったからです。

 

 

 

こう書くと

 

「頑張らなくていいよ」

「無理をしなくていいんだよ」

 

こんな方向に向かいそうですがそうではありません。

 

 


現実を変えられなければ苦悩から抜け出せませんから

 

頑張るときは頑張ってもらいたいですし
ちょっとの無理はしてもらいたいんです。

 


問題は

どうやっても頑張れないときに
頑張りすぎて無理をしすぎていることにあるんです。

 

 

 

<二分割思考ー頑張ればいいの?頑張らなくていいの?ー>
でも言いましたが

 

人間にはバイオリズムがあります。

 

 

バイオリズムが低調なときにはあまり頑張れません。

高いパフォーマンスも発揮できません。

 

 


そして

人間にはライフイベントがあります。

 

 

自分や家族、友人知人にまつわる様々な出来事が日々起きています。

 

変化に気力を使い、色んな人に心を使い、色々なことに対処をし

時期によってエネルギーを大きく消費しています。

 


エネルギーが枯渇したときに頑張ろうとしても頑張れません。

 

 

 

怠け者になってしまった人は

 

バイオリズムが低調なときにも
調子がいい時と同じパフォーマンス、同じ行動量を自分に課して

 

エネルギーが枯渇した時も
エネルギーがあるかのように振り絞って頑張ってしまったんです。

 

 

つまりエネルギーの前借りをし続けてしまって

調子の良い時ですらエネルギーがないんですね。

 

 

それだけではありません。

 

調子が良い時に頑張るのと

エネルギーが枯渇した時に振り絞って頑張るのとは

体感としては同じ労力だと思いますか?

 

 


違いますよね。

 

どう考えても

エネルギーが枯渇した時に振り絞って頑張るのは相当にキツイはずです。

 

 

 

いつもバイオリズムやライフイベントを無視して頑張ってきた人は


「頑張ること」イコール「死ぬほど苦しい」になってしまうんです。

 

 

「頑張ること」は辛い、苦しい、怖い…

 そんなふうにトラウマになってしまっているんです。

 


それでも
なんとか生きていくためにまた死ぬほど苦しい頑張りをする。

 

また「頑張る」トラウマを深くしていく。

 

 

 

怠け者だと思っている人はエネルギー不足の状態です。

 

バイオリズムやライフイベントを無視して力を振り絞って

エネルギーを前借りし続けてしまって

エネルギーが貯まることがないんですね。

 

 

 

自分が思うように頑張れなかった理由がこんな事だとは分からないので

 「自分は怠け者」と責め続けます。

 


何もしていなくても、休んでいても

 

「今は休んでも良い。何もしなくて良い」と思えず
「こうしていても良いのだろうか」と自分を責めてしまう。

 

いつもしっかりと休養ができない。

 

 

無理して頑張ることをやめないので

頑張ることの苦しさから逃げたい気持ちがどんどん大きくなっていく。

 

 

こうして怠け者のマイナスのループから抜け出せなくなってしまいます。

 

 

 

怠け者だと思い込んでいた自分に何が起きているか

分かってもらえたでしょうか。

 

 


こんなことをずっと続けていたら

頑張っても頑張っても怠け者だと思い続け、状況を変えられません。

 

大変なことです。

 


ですから

すごく難しいことですが自分を変えていきましょう。

 

 

エネルギーを前借りし続けてきたツケを払わなければ

エネルギーは回復しません。

 

十分に頑張ってきたことを認め

情けない、悔しい気持ちはあれど

今は出来ない自分を認めて休むしかありません。

 

 


自分の状態が良いのか悪いのかしっかりと観察しましょう。

 

状態が悪いときは
頑張らないでほんの少しだけやれることをやって回復を待ちましょう。

 

状態が良いときは
ほんの少しだけ無理をしてみましょう。

 

そうやって頑張ることはそれほど苦しいことじゃないと

自分に教えてあげましょう。

 

 


ライフイベントで心と体を消耗している時は

それ以外のことがダメになったとしても当然です。

 

ライフイベントに対処し続けている自分の頑張りに目を向けてください。

 

 

 

怠け者から脱するために一番大事なことは

 


結果として怠け者と捉えられる状態に陥ってしまったけれど

 

それは

バイオリズムやライフイベントを無視して

自分なりにいつも精一杯頑張り続けたからエネルギーが無くなり

そうなってしまったのであって怠け者ではない。

 

これまでよく頑張ってきた。

 


これをしっかりと自分で理解することです。

 

 

 

だけど
「もう頑張らなくて良いよ」なんて絶対に言いません。

 

現実を変えていかなければ

あなたは苦しみから抜け出せませんから。

 

 

 

もっと頑張るんではなくて

 

エネルギーをためること
頑張るときと頑張らないときを見定めること。

 

ここにあります。

 


あなたは怠け者ではありません。

頑張りすぎずに自分を変えていきましょう。