逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

ギフテッドの完璧主義

ギフテッドの人は


自分の完璧主義に悩まされているのではないでしょうか。

 

 

完璧主義は

不安感や自己肯定感の低さや鬱を招きやすい。

 

ギフテッドは完璧主義のせいで波があり不安定なのかもしれません。

 

 


完璧主義は

ギフテッドではない人にもありますよね。

 


でも
ギフテッドの完璧主義とそうでない人の完璧主義には
大きな違いがあるんです。

 

 

 

 

多くの場合

ギフテッドではない人の完璧主義は


「人に認められること」がゴールです。

 

 

実際に完璧ではなくても


人から完璧だと賞賛され、地位や名誉やお金などで評価が見えれば

完璧主義の気持ちは満たされます。

 

 

 

ギフテッドの完璧主義は


「人に認められること」というより

「自分が十分だと感じられること」であり

 

「自分が本来の実力だと思っているものを全部発揮できること」や
「最高到達点に達すること」が目的であるので

 

 

人にいくら賞賛され評価されても

いつまでたっても楽になることはありません。

 

 

 

ギフテッドは秀でることだけが目的ではないんです。

 

 

目立ちたがり屋の側面もあるので

秀でること、一番になることにも喜びはあります。


でも99点なら、自分にとっても完璧でないなら

満足することはありません。

 

 

 

完璧を目指して
全てを投げうって努力してしまうので
完璧でない結果に大きく失望し、大きな感情が湧きあがります。

<ギフテッド⑤ -強烈な感情->

 

 

自分の能力の高さを感じていて完璧に出来る能力はあると思っていて

頭でシュミレーションをして出来ると思っているので


結果が出なければ

ヘマをした、努力が足りないと自分を許せなくなるんです。

 

 

 

 

私もそうでした。

 

 

学生時代には

 

満点をとれないなら意味がないからと

テストを白紙で出したことがありました。

 

99点でも不満を口にするので
嫌みなやつだと言われました。

 

練習で出来ていたことが、本番で緊張して実力が出せなかった時に
自分は本当は無能なのだと落ち込んでいました。

 

ずっと努力を続けてきたのに結果が出なかったことで
大舞台での出来事じゃないのに、大した失敗をしていないのに

号泣して悔しがる姿は人に笑われていました。

 

 

 

ギフテッドは
なぜこんなふうに完璧主義になるんでしょうね。

 

 

ギフテッドにはこういう特徴があると言われているだけで
メカニズムは分かっていません。

 

 


私の経験とギフテッドの人の話を総合して考えてみると

 

・向上心の高さ


・視野の広さ


・難易度が高いことを好む


・結果のコントロールを望む

 

・頭で考えたことは行動でも出来ると思ってしまう

 

 

この特徴のせいで
完璧主義になっているのではないかと思います。

 

 

 

向上心が高いと
周囲と比較して秀でることには意味を見いだせません。

 

 

普通の人が失敗か成功かで捉えるところを


ギフテッドは人から成功と捉えられても

完璧でなければ穴があると思い、いつまでもやり続けてしまうんです。

 

 

 

一方で

穴が見られないぐらい完璧に出来ることには退屈してしまいます。


すぐに自分にとって難しいことを探しては
完璧にできずに落ち込むというジレンマを繰り返すんですね。

 

 

 

 

視野が広くいつも遠くの広い世界を見ています。

 

自分の学校で一番だったとしても
周囲の人間の中で能力が一番高いと認められたとしても

 

すぐに広い世界を見に行って自分と比較し

自分は大したことはないと確信し、いつも自信が持てません。

 

 

 

広く深く考え続けシュミレーションは完璧です。

 

こうすれば、こうなるはず…のストックが大量になり

結果が思い通りになると思ってしまいます。

 

頭で完璧に出来るイメージがあり

行動も同じように出来ると思い込んでしまいます。

 

思考が完璧だからこそ

結果も完璧でないと許せない気持ちなんです。

 

 

 

このような感じで

 

いつまでたっても目の前には高い壁が立ちはだかる。

 

いつまでたっても自分を肯定できない。

 


これでは苦しいのは当たり前ですね。

 

 

 

私はいまだに
これに苦しめられていますが

 

少しづつ工夫して楽になってきました。

 

 

 


いつも最高到達点を目指していると
全力を出し続けなければなりません。

 

自分の状態が悪い時やエネルギーが十分ではない時まで無理をしてしまう。

 

最高到達点なんてそうそうたどり着けるものではないので
いつも不全感があり自分に自信がもてない。

 


これがギフテッドの心と体を壊すと思ったんです。

 

 

 


そこで私は考えました。

 


完璧に出来ることが
自分は完璧で、結果をコントロール出来ていることだと思っていました。

 


でも完璧に出来るかどうかは

 

自分にはどうすることもできない
自分のコンディションや状況などに左右されるものですよね。

 

 


完璧にできる能力があったとしても


コンディションが悪ければ完璧にできませんし

不利な状況だったりトラブルに見舞われてしまったりすれば完璧にできません。


人間だからエネルギーは有限で疲労もします。

 

 

 

ということは

 

完璧に出来ることが
自分の能力の高さを表していると思っていたこと自体が妄想

 

そう思ったんです。

 

 

そして

 

自分が欲しい自分の完璧なコントロール感を
他のことで満たそうと考えはじめました。

 

 

 

自分の状態を詳細に把握して


その時の自分の状態での全力を出すことができれば
それが完璧だと理解する

 

 

 

有限である自分のエネルギーを

全力を出すときなのか、とっておくのか、少しづつ使うのか
どこに主に使うのかなどを考えて

 

自分の有限のエネルギーの使い方をコントロールして
使いたい所に集中して無駄なく上手に使って、結果を出す

 

 

 

不利な状況、恵まれない環境で
最高到達点になかなかたどり着けないと嘆いても意味がない

 

低いスタート地点からどこまでいけるかが
難しく楽しいことであり、自分の能力の高さも発揮できることだと理解する

 

 

 

こうして私は

 

自分で自分をコントロールしているという
安心感を得ることができるようになり

 

自分を肯定できるようになり

 

難易度がちょうどいい人生の課題を楽しめるようになり

 

自分なりの完璧を手に入れました。

 

 

 

私のやり方になりますが

 

ギフテッドの人の完璧主義は
このようにしていくことで克服できると思うので

良かったらやってみてください。

 

 

 

 

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