逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

心の闇(重たい話)

自分の心の闇をのぞいたことがあるかな。

 

 

私はある。

 

すべてを見たとは言えないけれど


自分ほど人間の心の闇を
知っている人間はいないのではないかと思う。

 

 

 

闇があるねーなんて

冗談で言われている人や

 

私は心の闇が深い…と

自分の心の闇を恐れて嫌っている人を見ると

 

心の闇っていうのは

まるで本人が生み出したものみたいにされていて

人格みたいなものに結びつけられてるんだとわかる。

 

 

心の闇を見尽くしてきた私は思う。

 

 

心の闇はもっと単純明解だ。

 

おぞましい世界を見た分だけ

衝撃を味わい苦しみ続けた分だけ

 

比例して闇は深く広がる。

 

 

何一つ

本人の裁量で決められるものじゃない。

 

 


私が心の闇について語ると

 

いつも陽気にふるまっているせいか

「あなたには分かりっこない」


ブログで明るく軽い文章を書いているせいか

「意識高い心理士に苦しい人の気持ちは分からない」と

 

よく言われてきた。

 

 

 

たしかに

心の闇を知っている人はどこが影があって
文章も悲しげで繊細さやニヒルな思想が出ていたりするのかな。

 

 

でも私は

闇が深ければ深いほど

それに抗う光を持とうとしなければ生きられないと思う。

 

 

闇を見続けていたら
人生を完全に終わらせるか、人生をあきらめるか

生きるために光を作り出すか

 

どちらかしかないんじゃないか。

 

 

 

私の人生は衝撃的な事ばかりで

沢山の心に闇を抱えてる人間にそれを存分に見せられぶつけられ

 

自分の心の闇は大きく作り上げられた。

多くの人の心の闇を注ぎ込まれた。

私の中にどうしようもなく大きな心の闇が出来上がった。

 

 

 

私が鬱で歩けないほどの状態の時

外からの刺激は一切得られず

心の闇を丸ごと見てしまうことになった。

 

 

 

みんな覗いてみることはあるだろうね。

 

でも

恐怖から蓋をしたり
日常の忙しさに邪魔されたり

インターネットや趣味に目を向けてそらしたり
家族との関わりで中断されたりして

 

多くの場合心の闇に沈みこむことはないんじゃないかな。

 

 


だけど私は

 

怖さより異常な好奇心が勝ってしまい
蓋を閉められなかった。

 
たった一人で生きていたから人に邪魔されることもなく
動く事もできずテレビを観る元気もなく

インターネットや他の趣味も無く

 

起きているあいだ何時間でも何日でも
闇を見続けることが出来てしまった。

 

 

 

外的な刺激はなく、あるのは自分の思考だけで
何時間かが一瞬に感じるほど
集中していたことがあるだろうか。

 

情報を処理したり
具体的な案を練ったり
未来図を描くような
建設的な物やポジティブなものは一切無く

 

思考はすべて人や社会への憎悪しかない。

 

自分がどんなに努力しても現状は劣悪なままで
この先この状態がどこまでも続く。

 

 

思い出すのは

日差しが射し込み外から入って笑い声が聞こえる中

 

私は部屋の端で膝を抱えて闇を見ていた。
気がつくといつのまにか真っ暗になっていて呆然と一日を終える場面。

 

 

 

自分の心の闇は

とてつもない妬みや怒り

汚さやいやらしさ
傲慢さやずるさ
狂気がうごめいていた。

 

人の心の闇も恐ろしいけど

それを自分の中に見つけた衝撃は言葉にならない。

 

 

その時の自分は

いつも自分を罰したかったから

 

毎日、毎時間、心の闇をのぞいては

自分を罵って軽蔑して嫌悪して過ごしてた。

 

 

そうしているうちに心の闇を見るのにも慣れ

 

自分なんてそんなもんだ
人間なんてそんなもんだ


完全に受け入れてしまった。

 

 

 

 

 

心の闇について書きたかったのは

 

 

心に問題を抱えて私に助けを求めてくれた人は

 

自分の抱えている闇の大きさに恐怖し、恥じ、見て見ぬ振りをし
そのせいで不安が大きくなって心を病んでいたから。

 

 

こんな事をいったら引かれる、驚かれる
おかしい人間だと思われると

いつも自分の闇を明かさずにいる。

 

 

最初は私も

本人が体現している闇を抱えている人間像に
最初は恐れおののいた。

 

でも最終的に
その闇は私の闇を超えなかった。近づくこともなかった。
安堵と寂しさを感じた。

 

自分を恐ろしい人間だと思い込み

それを演じるかのように表現しているだけで

本当に恐ろしい人間ではなかった。

 

 


私が伝えたいのは

 

あなたの心の闇はまだ大丈夫だ、恐れることはないってこと。

 

 

自分の心の闇を見られない大人やカウンセラーなどに
恐れられてきたその闇は
そんなに恐れることはないよ。

 

あなたがイメージしているほど
あなただけが汚く狂っているものじゃない。

 

人間はそんなものだから。安心してほしい。

 

 

 

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