逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

境界性人格障害③-悪化していく-

発症したてのころは

 

まだ
気性が激しい女の子
というレベルで済みますが

 

それが
どんどん普通ではないレベルに
変わっていきます。

 

ボーダーが悪化するときには
いつも原因がありました。

 

一度目のきっかけは
<虐待⑭>で書いたように
虐待から逃れ
完全に天涯孤独になった時です。

 

ずっと里親に

逃げられないと暗示をかけられていたので
逃げた後もいつ目の前に現れるかと不安でした。

 

逃げたら殺すと言われていたので
どんな手を使っても探し出されて殺されるのではないかと
毎日恐怖でした。

 

それでも
こんな思いは
楽しい大学2年生のさなかの恋人、友人たちには分かりません。

 

逃げられて良かったね。
もう大丈夫
ぐらいにしか考えていなかったようです。

 


大学に行けば捕まると思ったので
私は2年生から大学に行けなくなります。

 

友人たちは学校に行って授業を受け
それから私も含めて集まって遊ぶ。

 

そんなとき
「授業しんどい」
「いいなー行かなくてよくて」
「今日一日何してたの?」
と遠慮のないことを言われます。

 

私がいつも明るいので
私に事情があることも忘れて
大学をやめて働かない
ただ怠けているだけの人間にうつったのでしょう。

 

実際は
不安や恐怖がとてつもないのは当然の状況だったのに
また私はそれを少しも出さないで笑っていました。

 

孤独が怖くて
なんにもない自分にどうしたらいいか分からなくなって
こんな状況でも
周りを気遣いサークルのリーダーを続けていました。

 

心には
とてつもない孤独や不安、恐怖を抱え
毎日ただ楽しむだけの大学生のリーダーをやっていました。

 

大学をやめたニート
大学のサークルのリーダーを続けるなんて
明らかにおかしいですが
周りも私が必要だったため
暗黙の了解でやっていました。

 

でもことあるごとに
冗談で「プータローがいる」なんて言われて
悔しい思いをしていました。

 

自分がここにいる誰よりも
真面目だし頭がいいし学びたかった。
なのにバカにされる。

 

リーダーとして必要とされて
いろんな責任を負うのに
大学の話には入れない。

 

劣等感でそこから逃げ出したくなりました。
自分を気遣う人はいなかった。

 

周囲が特別優しくないわけではありません。
遊びたい盛りの大学生。
自分のことでいっぱいの大学生。

 

虐待されて逃げてきた私のことは気になっても
本人が元気に笑っていたら
それ以上気遣えないのも当然かもしれません。

 


でも

自分のせいじゃないのに
自分は不真面目でもバカでもないのに
大学をやめて動けないことを
怠惰というニュアンスの言葉を言われることが
何よりもつらかった。

 

虐待から逃げ天涯孤独になって
この先どうしたらいいのか
分かるわけがない。
この気持ちが理解されない。

 

そんな
孤独、不安や恐怖がのしかかり
心をどんどん壊していきました。

 


二度目のキッカケは
同級生の就活の時期です。

 

これまで
大学生ではなくとも
楽しい大学生活のためにサークルを運営するために
私は必要とされていました。

 

しかし
就活の時期にはいると
当たり前ですがサークルの活動はなくなります。

 

みんな急に真面目になります。

 

これまでのことが嘘だったかのように
人が変わっていきます。

 

私は急に必要とされなくなり
社会に出て行こうとするみんなに置いてけぼりにされ
とてつもない孤独を味わいました。

 

そして
就職のために
みんながサークル長だった
と履歴書に書いていると笑いながら言うのです。

 

あれだけ
私に協力すらしなかったのに。
なにもせずに楽をしていたのに。
私の苦労や責任の重さに感謝の一つもなかったのに。

 

悔しかった。
これまでの頑張りを
すべて踏みにじられたと感じた瞬間でした。

 

その絶望感の中
みんなに必要とされるリーダーから
ただ何もしない大学をやめた変な人に転落した私は
激しく鬱状態に入り
ボーダーが悪化していきます。

 

 

不安や恐怖などの大きなストレスと

それを全く理解されない孤独

それがボーダーを悪化させるのかも知れません。