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逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

あなたに足りないものなんてない

カウンセリングを求めてくる皆さんには
共通の信念があります。

 

「私は足りないから満たしてください」

 

というもの。

 


でも私は
足すことも満たすこともできません。

 


これまで
あなたは足りない
足してあげましょう。
と言われてきたクライエントさんは
不満を持ちます。

 

でも
仕方がないんです。
私が言っていることの方が
真実なんですから。

 

 

 

クライエントさんは
私のところに来る時点で
すでに沢山のものを持っている。

 

さまざまな能力や
魅力を持ち
人と懸命に関わり
それでもまだ努力をしている。

 

何が足りないんでしょう。

 

 

 

私の話をさせていただきます。

 

私は沢山のものを持っている

と人に思われます。

 

でも実際は
クライエントの皆さんと変わらない
というより
私の方が持っていません。

 

でも
何故満たされているように見えるのか。

 


それは
自分でいい、これでいい
持っていなくていい
と思っているからです。

 


私は自分が
一般的に見て
足りないもの、変なもの、間違っているもの
が沢山あることを自覚しています。

 


だけどもう
過去の経験で分かっているんです。

 

普通で
正しくて
沢山抱えても
苦しくて楽しくなくて幸せじゃない。

 

絶対に。

 

 

 

人が追求すればいいのは
たくさんたくさん
手に入れることではない。

 

他人の目を通さず
自分の皮膚で
楽しくて幸せであるとたくさん感じること。

 


クライエントさんは

 

私より沢山持っている
私より正しいし
私より頑張っている。

 


だからもう
やるべきことは

 

足りないものを足していくんじゃない。

 

今あるものを生かしていく
今あるものを磨いていくことしかない。

 


ありのまま、そのままでいい
なんて
綺麗事とは違う。

 


持っているものを把握しなきゃ
持っているものを上手く使わなきゃ
宝の持ち腐れ。

 


だから私は
クライエントさんに口癖のように
「もったいない」
と言ってしまう。

 


あなたがもったいない。
あなたの宝が必要な人が沢山いるのに
その宝に気づかずに一生を終えようとしているなんて。

 


だから私には
足すことも満たすことも出来ません。

 


あなたはただ
持っているものを磨かないでいる。
生かそうとしてこなかった。
それだけ。

 

足りないものなんてないんですから。