逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

自叙伝

自叙伝63 敵の懐に入る私

「最初は嫌われていても長く時間を過ごせばみんな私を好きになる」 私にはこんな傲慢な思い込みがある。 これはこのホステス時代の経験で出来上がった確固たる信念なんだろうな。 変わらず女の子たちにはイジメを受けていたが、ある時から風向きが変わってき…

自叙伝62 地獄のホステス時代

寮つきでキャバクラで採用されるための条件は厳しかった。 週6で営業時間18~2時までフルで働くこと。そして10万円という高い家賃。高級なマンションなどではなく、当時なら6万位じゃないかというボロいアパート。完全にぼったくりだ。 25年前。バブ…

自叙伝61 ホステスになってしまう私

ホステス時代のことを思い出してみよう。 ホステス時代は嫌なことばかりでもなかった。得るものもあった。心の病を抱えていて心の空白が大きくぽっかりと穴が空いていたその当時の私には、きっと有り難い場所でもあった。それでも20代のホステス時代は思い…

自叙伝60 大学の人間模様

ルリコは大学で一番キラキラしているグループと仲良くなりそこで過ごすようになった。 私を誘ってくれるけど私はそこに5分居るだけで泣き出しそうになるから 「ちょっとゼミの子のとこ行くわ」って逃げた。 私はしばらく経ってルリコとは一緒に居られないと…

自叙伝59 努力ではどうにもならない現実を思い知らされる私

大学生活のはじまり。 思い出そうとすると眩しくて眩しくて。 高校生活のはじまりの時もそうだった。 真っ暗闇の中にいた私にとっては自分には恐れ多いレベルの高校はあまりに眩しかった。 自分のような人間が紛れ込んでいいのだろうかとこんなにキラキラし…

自叙伝58 人生最高に幸せな日

大学時代のことを書こうとすると なぜか逃げたくなってモヤモヤとしてきてなかなか書けなかった。 思い出したくないのか?と自分に問いかけると そんなこともなくて 人生で一番、青春を謳歌していた時代でもあるし人生で一番、普通の人を演じられていた時代…

自叙伝57 衝撃的な真実

この事は書くべきかどうか悩んだ。 自叙伝では読んだ側があまりに衝撃的すぎることや私が誤解を受けるであろうこと私のクライエントさんが読んで悪影響があることは 内容を柔らかくしてることも、伏せていることもある。 その点でこれは判断が難しかった。 …

自叙伝56 奴隷から解放されていく私

高校時代のエピソードを読むと 養父母の問題はもう収束していたのかと思うかも知れない。 自由に楽しくやれてるじゃないかと。 学校生活のことだけを書くと何の苦労も無い普通の高校生のように見える。 でも高校時代も虐待の形は変わったけど私の戦いは水面…

自叙伝55 洗脳されない私②

私は女ながらに片岡先生のお気に入りだった。男っぽいところを見抜いていたのだろうか。 数学の授業中 宿題で難問があって、他の生徒を散々指して正解が出ない時 「はい、最後竹田、正解言って」 「竹田は分かってるね。どうぞ」 こんなふうに私の自尊心を高…

自叙伝54 洗脳されない私①

高校での波瀾万丈な体験はこれで終わりではない。 私はどこまで特殊な経験をするんだろう。 生い立ちとは関係のないところでもまたあり得ない経験をすることになった。 高校1年の時の担任との出会いが、私の人生を変えた。 数学教師の片岡先生。 当時30代…

自叙伝53 生まれて初めて仲間を見つけた私

親代わりにしていたケイコに見限られ心を凍らせた私。 中学生時代にも心を凍らせて色々なことを上手くやっていたがこの頃は似ているようで違う。 中学生時代は全体的にLOWという感じ。色々と心を凍らせて上手くやっているのに鬱々としている。 この頃はHIGH…

自叙伝52 心を凍らせて性格が悪くなっていく私

ケイコと関係が終わった時もシノとの関係が終わった時と同じ 言葉にはできない絶望があった。 シノと違って目立つタイプではないけれどケイコもみんなに愛されていた。 みんな言葉にはしなくても 「ケイコは人が良い」「ケイコを嫌いな人はいない」 これが暗…

自叙伝51 境界性人格障害の片鱗が見えはじめる

ケイコと居るためにケイコの気を引くためにケイコを自分だけのものにするために 策略を巡らす。 最初はかわいいものだった。 それがだんだんとエスカレートしていき狂気に変わっていった。 高校生活は・・・私の人生は ケイコ無しでは絶対に立ちゆかない。 …

自叙伝50 友人を親代わりにする私

高校1年の最初の半年で天国と地獄を味わった後 バレー部の先輩や仲間との関わりで元気を取り戻し成熟した心に触れて少しだけ心が成長し ここから1年は人生でも最高の時期だった。 幸せすぎて身の丈に合わなかったせいか結局はまた地獄に落ちるせいか この…

自叙伝49 部活で心を成長させた私

シノのグループを追い出されオタクグループに紛れ込みいじめられ それまで仲良くしていたシノ達に避けられ男子達にも白い目で見られる。 同じクラスで自分が居たグループのみんながキラキラと楽しそうにしているのを見るのは本当につらかった。 自分はスクー…

自叙伝48 幸せの絶頂から転落する私

毎朝、制服を着るのが嬉しくて仕方なかった。 自分にとっては恐れ多い、夢のような高校だったから 同級生がダサいと嫌がっていたその制服や指定カバンは私にとって誇りだった。 それにその時の私にとって 頭がおかしい虐待する親がいるボロく不潔な家から綺…

自叙伝47 幸運に翻弄される私

高校に入学したばかりの私は自分の正体がばれてしまうのではないかという恐ろしさでいっぱいだった。 この気持ちはきっと小学生の頃からずっと慣れ親しんだ気持ちだ。 たしか初めてこの気持ちを感じたのは岩手県の児童養護施設から引き取られ東京の小学校に…

自叙伝46 知らなかった世界に入りこんだ私

高校生活は私のその後の人生を大きく変えた。 私が入学した高校は 本当なら私のような惨めな人生を送ってきた人間は親しくできないであろう人たちばかりがいた。 そこで3年間を過ごし知らなかった世界、知らなかった自分を知ることになった。 私立の偏差値…

自叙伝45 自分を信じる私

私には人生でずっと繰り返すパターンがいくつかある。 きっとこれが自分の根底にある変えられない特徴に結びついた自分の行動なのだろう。 そのうちの一つ 人から「お前には無理だ」 こんなふうに言いきられ、道を閉ざされそうになる。 それに対して私は自分…

自叙伝44 いつでも平然として見える私

中学校時代を振り返ると この頃の私は 人と広く交流をして 周囲に合わせて積極的に行動して 繊細で感受性の高い部分や一般から大きくはみ出している部分家庭内で巻き起こる問題の沢山の苦悩を隠して平然と振る舞って 自分の内面の嵐とはうらはらに表面的には…

自叙伝43 男性を利用する私

中学3年生の頃初めての彼氏が出来た。 中学生の時は どうやって学校で上手くやるか学校で居場所をつくるか馬鹿にされないよう自分の価値を高く見せるか・・・ こんなことで頭がいっぱいだった。 心の中は自己嫌悪、人間不信で自分が人を思うようにコントロ…

自叙伝42 男性に対する怒りを抱えていた私

今になって気づくのは 私はずっと男性に対する怒りを抱えていたんだということ。 このことに自覚を持てたのは最近のことだ。 私のこれまでの経験を考えれば 男性に対して怒りを持つのも男性を嫌悪したり恐怖したりするのも当たり前かもしれない。 <自叙伝⑭…

自叙伝41 中学生でホステスだった私

中学生になり養父母との関係は変わってきたと書いた。<自叙伝㊲コントロールし合う養父母と私> 機嫌をとれば洋服を買ってもらえることもあった。 成績を良くしたいと言えば学習塾に通わせてくれることもあった。私の成績が良いと養父は自尊心が上がるから…

自叙伝40 人間不信の私

中学時代のことをこうして振り返って分かるのは 中学時代の私は空っぽだったということ。 その当時は分からなかった。 小学校の時に比べて学校生活をとても上手くやっていて人から馬鹿にされずに、評価が高くなり、自信もついてきて馬鹿だと思っていたけれど…

自叙伝39 いつも浮いてしまう私

友人関係に関してはいつも苦労が絶えなかった。 でも中学時代が一番難しかったような気がする。 小学校時代は変人と思われていても人懐こく、いつも笑っていて、自分をさらけ出していたから「何だかんだ憎めない奴」「変で怖いけど良い奴」そんな感じの存在…

自叙伝38 裏表が激しい私

中学時代は外側から見れば上手くやれていた。 でも愛着障害や発達障害があった私がいきなり上手くやれているということは感情のコントロールが悪く 不快刺激を感じやすく パニックになりやすく 周囲に合わせるのが難しい… そんな沢山のハンデを持った自分を…

自叙伝37 コントロールし合う養父母と私

小学生の頃の私はいつも養父母から逃げようと考えていた。 当時はまだ虐待なんて言葉は知らなかったし私が変な子どもだからしつけなんだと思うことも多かった。 家庭の中は異常だったのに、良い家族ごっこをする養父母にふと普通の家族なのかも知れないと思…

自叙伝35 自己愛が高い私②

やはり中学校時代のことを思い出したくない。 何故ここまでこの時代のことを思い出したくないのかこうやって思い返しながら書くまで全く気づかなかった。 自己愛が高かったから。 思い返しているうちにそれが尋常では無かったことが分かってきた。 虐げられ…

自叙伝34 自己愛が高い私

中学生になってからのことを書こうとするとなかなか筆が進まない。 小学生時代の私の人生は過酷過ぎたし小学生時代の私の振る舞いは馬鹿で変で恥ずかしいことばかりだった。 この時代を思い出すと苦しいような恥ずかしいような何とも言えない嫌な気持ちが必…

自叙伝33 反抗的な私

中学生になって自分を出すことが出来なくなったことで私の中にはどこにも行きようがない 怒りに似た感情が溜まっていた。 そんなことは全く分かっていなかった。むしろ今までの人生で一番良い状況だと思っていた。 まるで生まれ変わったかのように人からの評…