逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

名付けることのリスク

私は名付けることに
とても抵抗がある。

 


名前をつけることは

 

人と共通の認識を持ちやすくなるため
意志の疎通がスムーズになり、スピード感が増す。

 

そのため
忙しい現代社会では
名付けが加速しているよう。

 


しかし
その名付けが
偏見をうみ
自己理解、他者理解を阻み
思考を停止させている。

 

 

 

ぱっと浮かぶだけでも

 

大人女子
美魔女
草食系男子
意識高い
ゆとり
パラサイトシングル

 

などなど沢山ある。

 


この名付けのせいで
私も迷惑を被っている。

 


大人女子という言葉のせいで
子供心を持ちながらも
大人としての振る舞いをする自分を
否定したくなった。

 

私は女子ではない。

 


美魔女という言葉のせいで
年齢よりかなり若く見えることを
恥じるようになった。

 

若さと美しさだけに執着しているわけではない。

 

 

 

こんなふうに
似て非なるものなんだけど
同じくくりにされたり
詳細を理解されない。

 

そんな機会が増えて
みんな
嫌な思いをしたり
自分で自分を決めつけて
自分を抑えつけたりする。

 

こうして
心の健康をくずしていく。

 

 

 

名前をつけたところで
そこで安心して詳細をとらえようとしない。

 

近いものを
そこに当てはめる
という偏見も生まれる。

 

さらに
その名前を使う人が
ちゃんと分かっていなくて
本来の意味から離れていく。

 


こういうことが起こる。

 


ただ
名前をつけないと
理解されづらくて

 

コミュニケーションに時間がかかるし
伝えることが面倒になる。

 


だから
今は

 

とにかく
名付けていく。

 


スピード感をもつことは
社会に適応することではあるけど

 

時代に流されることでもある。

 

 

 

私は
時代に逆行しようと思う。

 

なるべく
名付けないで詳細をとらえる。

 


これは〇〇だ。

 

と言われても

 

〇〇には
✕✕や△△など色々ありますけど

差別化できていますか?

 

これにはこういう例外がありますけど
それでも〇〇って言えますか?

 

と言いたい。

 

 

 

 


本人が〇〇です。

 

と言っても
まだもっと詳細な部分あるでしょう?
深みがあるでしょう?
と肉付けしていく。

 

 

 

人も
ものも

 

詳細をとらえるから
そのものが見える。

 

そのものが見えるから
おもしろく
魅力的で
大事に出来る。

 


名付けることで
いろんなものを
大事にすることをわすれている。

 

 

 

 

 

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